時系列の整理 星の興亡をめぐる星杯物語 前編 運命に導かれし者たち

前編

今回は、星杯物語の世界の考察をするにあたり、この世界の時系列を整理しまとめていきます。

資料として、マスターガイド6などに書かれた情報や、完結後に登場した現時点での新規カードなどを元にまとめていこうと思います。
時系列整理なので、カードリリース順なら中盤に明かされる真相が序盤に来てしまっていますが、あしからずご了承ください。


星辰の森に伝わる創星記

遥か昔、天の運行を司る神がいた。
神は眷属である竜を使いとし、
破壊と再生による天の維持を使命としていたが、
その破壊の力は行使される度に増大し、
いつしか双方のパワーバランスは大きく崩れてしまう。
ひとたび荒ぶると、守るべき天をも滅ぼさんまでに
強大化してしまった破壊の力。
神は自らの手による天の運行はこれ以上不可能と判断。
創造の力を持って、幾重もの地殻の檻を生み出し、
破壊の力をその中心に閉じ込めた。
行き場を失った破壊の力は燃え上がり地殻へと変貌。
そのエネルギーは大地を通じて創造の力と溶け合い、
地表へ流れ出たエネルギーは、
生と死を繰り返す小さき存在として、生命を大地に誕生させる。
神は、己の最後の残滓を1つの『鍵』に変え、
大地に芽吹いた生命に託し消滅する。
それから幾星霜もの時の中で、破壊の力が地表へと顕現する事はあったが、
そのたびに小さき生命たちは竜とともにこれを押し留めてきた。
いつしか、『鍵』は剣に、破壊の力は『大いなる闇』と呼び名を変え、
『星の勇者」の英雄譚として語り継がれるようになった。

〝星明かりの勇者 掲げし剣に光を束ね 大いなる闇を討ち祓わん〟

マスターガイド6

・古代文明の隆盛と破滅

・・地上の生命が繁栄し高度な文明を有した時代

主人公である「アウラム」たちが生まれた時代より遥か古代。
創星記から幾億もの年月が流れ、人類は繁栄を極めていた。
その力は生命の理をも解き明かす程であったが、資源の搾取により星を守るドラゴンは滅び、その使命はもはや神話の中にしか残っていなかった。
そんな時代に『鍵』が発掘された。
これは『星の勇者』と『大いなる闇』の戦いの予兆なのではと危惧し、『鍵』の解析を開始した。
解析チームに参加した科学者「リース」の活躍で解析は目覚ましい躍進を見せたが、彼女が立てていた仮説と、その強く罪深い野望に気づく者はいなかった。
―――「神の力をこの手に」。

《星遺物の機憶》
当時の「リース」の様子や
『鍵』の図がある

「リース」の秘する仮説とは、『大いなる闇』の出現の真相。
『鍵』は創造と破壊の力をコントロールし、発現させることで『大いなる闇』を撃退したというのが『星の勇者』の英雄譚に共通する物語だった。
だが、その逆もあるはず。
『鍵』はその名の通り星の牢獄を固く閉ざすだけではなく、開く事にも使われてきた。
英雄譚は『鍵』の奪い合いの歴史だったのだ。

・・滅亡をもたらした究極の「機械騎士」(ジャックナイツ)

国家連合直下の組織「パラディオン」と名を変えた『鍵』解析チーム。
そこでは来たるべき星の脅威への対策と称し。機械兵士開発計画「機械騎士計画(プロジェクト・ジャックナイツ)」が提唱されていた。
数年後、ついに動力コアに『鍵』を組み込んだ決戦兵器「明星の機械騎士」が誕生した。

《明星の機械騎士》

しかし、その起動実験中に事件が起こる。
『鍵』によって星のエネルギーの流れは一気に逆流。
地核へ流れ込んだエネルギーは大地を割り、破壊の力が漏れ出し、地表は焦土と化した。
全ては操縦者である「リース」の計画。
しかし『大いなる闇』の復活が直前に迫った時、「パラディオン」が随行機として建造した7体の「機械騎士」が現れ、「明星の機械騎士」を破壊。
『大いなる闇』を地核へと封じることにも成功する。
だが神の力である『大いなる闇』の権能の一部は『鍵』のようにそれぞれの力を象徴する形の遺物となって地表に残った。
災禍の首謀者である「リース」は死体となって発見されるも、もはや崩壊した大地に人類が生きることは不可能であった。
『鍵』の力をコントロールできる『星の勇者』がこの時代に現れなかった原因は大地の力の弱体化だと考えた「パラディオン」は、その力の回復と生命の育成、それに反する文明の抑制を最優先とするコマンドを、残された「機械騎士」にプログラムする。
こうして「機械騎士」には脳波リンクを行った「パラディオン」の人格データと大地再生の使命が残された。
未来へ希望を託した「パラディオン」だったが、彼らは気付けなかった。
死んだはずの「リース」もまた肉体を捨て、意志の権能を持つ「『星杯』」に自身の魂を移していたのだ。


・星の生態系

この世界は7体の「機界騎士(ジャックナイツ)」を頂点とする機械生命体によって統治されている。
大地には尖兵である機怪蟲「クローラー」が跋扈し、人々はその脅威に抗いながら生きることを余儀なくされていた。

・星辰の森に住む人々

「星辰の森」と呼ばれる深い森林の中に人類の隠れ里がある。
星神を信仰する里には古くから受け継がれし祭器の杖があり、その力で生成した結界により脅威から守られてきた。
そして、祭器の継承者である「イヴ」、その兄「ニンギルス」、幼馴染の少年「アウラム」が一匹の子竜「イムドゥーク」と共に過ごしていた。

《星杯を戴く巫女》
「イヴ」
《星杯に誘われし者》
「ニンギルス」
《星杯に選ばれし者》
「アウラム」
《星杯の守護竜》
「イムドゥーク」

・「星杯」との出会いと『星の勇者』

「アウラム」と「ニンギルス」は結界の負担を少しでも減らそうと、日夜「クローラー」の討伐に明け暮れていた。
そんなある日、「イヴ」は森の深くから不思議な声を聴く。
心配する友と一緒に、導かれるように声の響く先へ向かう「イヴ」。
森の奥深くで足を滑らせた「イヴ」は、その先で巨大な建造物にも見える何かを見る。
追いついた一行とともに建物に近づくと「イヴ」の杖が眩い輝きを放ち、それに呼応するかのように巨大な建造物が動き出す。
杖と同種の光を発する建造物に驚愕する一行の前に、1人の小さな妖精「リース」が現れるのだった。

《星遺物との邂逅》
《星遺物-『星杯』》
《星杯の妖精リース》
《星遺物の加護》

「リース」は、人類を導く使命を負っていたが「機界騎士」によって阻まれ「星遺物-『星杯』」に封じられていた事。そしてこの世界を守る『星の勇者』の資質を持つ者を待ち続けていた事を「イヴ」たちに明かす。

・「『星杯』」の力を戴き他の「星遺物」を目指す

人類を守りたい。
妖精「リース」の切実な願いを受け、星辰の森の若者たちは旅立つことを決意する。
「リース」を介して「『星杯』」から授けられた力はこれまで苦戦を強いられてきた「クローラー」を圧倒するほどのものであり、世界には同等の力を持つ「星遺物」が6つ存在し、それらを束ねれば「機界騎士」すら打ち倒せるほどの力が得られるという情報は里の人々に大きな希望を与えた。

《星遺物の導き》
《星杯竜イムドゥーク》
《星杯神楽イヴ》
《星杯剣士アウラム》
《星杯戦士ニンギルス》

・2つ目の「星遺物」

次なる「星遺物」の眠る湿地帯へと訪れた一行。
そこには大量の「クローラー」と、群れを従える「エクスクローラー」が待っていた。
沈黙を保つ「星遺物-『星鎧』」を前に戦力を分断され、じわじわと劣勢に追い込まれる一行だったが「リース」の機転により、広範囲の機怪蟲を沈黙させることに成功する。

《星遺物に差す影》
《星遺物を巡る戦い》
《星遺物の傀儡》

・ついに姿を現す7体の「機界騎士」

満身創痍で「『星鎧』」の元へ辿り着いた一行だが、突如七色の光が輝き、機界の支配者たる「機界騎士」が姿を現す。
驚きを隠せない「アウラム」たちを後目に、「機界騎士」は祭器による結界能力でも太刀打ちできないエネルギーで「イヴ」を包む。
そして呆然とする「アウラム」たちを後に残し、いずこかへと消え去ってしまった。

《星遺物に蠢く罠》

・「イヴ」を求め進んだ先には2つの「星遺物」が……

祭器である杖と「イヴ」を奪われた今、自分たちよりも先に他の「星遺物」を押さえられるのは危険だと語る「リース」。
彼らは長い捜索の果てに「機界騎士」が根城とする旧文明遺跡群へと辿り着く。
そこにはすでに起動状態にある「星遺物-『星盾』」と、「星遺物-『星槍』」があった。

《星遺物が刻む傷痕》

祭器を奪われ囚われの身となりながらも、自分を傷つけない「機界騎士」を見て、彼らが『大いなる闇』の具現だという考えに疑問を持つ「イヴ」。
その矢先「アウラム」たちによる「機界騎士」への奇襲が始まる。

《星遺物へ至る鍵》

全力で奇襲を仕掛ける「アウラム」たちの猛攻に業を煮やした「機界騎士」は、ついに合体形態である「星痕の機界騎士」へと姿を変える。
一進一退の攻防の最中、スキを見つけた「ニンギルス」は「リース」に合図を送る。
それは「リース」が提案した単独作戦の開始サインだった。

《星遺物の囁き》

・「リース」が企てた作戦

単独で遺跡に侵入し自分の元へ辿り着いた「リース」を見て安堵する「イヴ」。
そこで「イヴ」は「機界騎士」の真実を知るべく「リース」に問いかける。
「もしかしたら私たちは、「機界騎士」とは戦うべきではないのかもしれない」
そう話した「イヴ」にゆっくりと振り返る「リース」。
そこには初めて会った時の愛らしい表情を捨て、禍々しく変貌した「イヴ」の笑みが映っていた。

《星遺物に眠る深層》

本性を現した「リース」は「イヴ」の身体を意識ごと乗っ取り、「イヴリース」として生まれ変わる。
「機界騎士」は姿を消した「リース」に気づいていたが、戦中がゆえその対処に回る余裕がなかった。

《夢幻崩界イヴリース》

・「イヴリース」の力と〝杖の力〟の継承者

「機界騎士」が最大戦力と目していた「ニンギルス」と、それを上回る勢いで成長する「アウラム」の奮闘は続く。
そしてその時、遺跡内部から大きな爆発が起きる。
「『星杯』」が起動した時以上の強大な力の奔流。
次の瞬間、彼女は唐突に姿を現した。
姿かたちは「イヴ」そのもの。
しかし彼女から発せられる邪気に満ちた力が、それが「イヴ」ではないことを物語っていた。
彼女は妖しい笑みを浮かべ、自分は「リース」であり、この肉体は自分のモノだと告げる。
さらに「イヴリース」は波動を放ち、「アウラム」たちが授かっていた「『星杯』」の力を強制解除。
その命をも奪わんとする。
しかしなんと、その間に「機界騎士」が立ちはだかった。

《星遺物が導く果て》

「イヴリース」の力に耐え切れずに合体が解除される「機界騎士」。「イヴリース」は「機界騎士」たちから強制的にコアを抽出し、「蒼穹」のコアに封印されていた祭器の杖を奪還しようとする。
祭器の杖が星の命運を分かつ『鍵』であることを知る「機界騎士」は、この窮地にその継承権を「アウラム」の元へ移そうと試みる。
「アウラム」は、「機界騎士」に心を開き杖の力を継承。
その手には『鍵』が姿を変えた双剣を携えていた。

《蒼穹の機界騎士》
《星遺物を継ぐもの》
《機界騎士アヴラム》

・「イヴリース」追討戦

『鍵』を継承したものの、正統継承者である「イヴ」からではなく、「機界騎士」を介した間接的な継承であったことから、その力は一対の剣に分断されてしまった。
自身の中に眠る「イヴ」にも継承権が残っていることを知った「イヴリース」は、『鍵』の力を行使できるようになった「アウラム」よりも先に、「『星槍』」の起動を行うべく飛び立つ。
その後を追う「アウラム」だったが、「イヴリース」が生み出した魔獣「トロイメア」に苦戦。
しかしそこに「ニンギルス」が「イムドゥーク」を伴い駆け付ける。
先の戦いですでに「『星杯』」の力を失いながらも奮闘する彼らの助けを得た「アウラム」は「『星槍』」へと急ぐが、一瞬の差で「イヴリース」に「『星槍』」を起動され、凄まじい攻撃に晒されてしまう。

《星遺物へ誘う悪夢》

・「リース」に抗う「イヴ」の意志、そして悲劇の決着――

「『星槍』」の力により傷つき倒れる「アウラム」にトドメをさそうと剣を拾い上げる「イヴリース」であったが、その時、子竜「イムドゥーク」が飛び出す。
「イムドゥーク」は、仲間の危機を前にして神の眷属たる力の片鱗を発揮。
わずかに過ぎない時間であるが、表出していた「リース」の精神を抑え込む。
それにより深層に押し込められていた「イヴ」の精神がついに目覚めた。
倒れる「アウラム」、そして自身の手に握られた剣を目にして、状況を悟った彼女は決断をする。
「イヴ」は手にした剣の切っ先を自分自身に向け、自らを貫いた……。

《星遺物からの目醒め》
《星遺物への抵抗》
《星遺物に響く残叫》

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!

ここまでの時系列を前編として考察していきます!

後編はこちら

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