今回は、星杯物語の世界の考察をするにあたり、この世界の時系列を整理しまとめていきます。
資料として、マスターガイド6などに書かれた情報や、完結後に登場した現時点での新規カードなどを元にまとめていこうと思います。
・「パラディオン」の再結成
あの悲劇から幾ばくの年月が経った。
悲劇の後、「ニンギルス」は傷ついた「アウラム」の意識を奪い「イヴ」の身体と剣を持ち去っていた。
心身ともに傷ついた「アウラム」だったが、「ニンギルス」の動向に危険を察知し、凶行を阻止するためこの星に残されているはずの生命を探し出す事を考える。
そして自らに宿った「機界騎士」の能力により機能を回復した「クローラー」を発見、交信に成功。
その記録からいくつかの部族を探し出す。
各部族に伝わる伝承と文献をつなぎ合わせ、世界の秘密を紐解いていった「アウラム」は、星に眠る力の存在こそが「リース」の、そして今は「ニンギルス」の目的であることを悟る。
それに対抗すべく各部族の長に協力を仰ぎ、部族連合を結成。
文献の中にあった旧文明の戦士たちになぞらえて「パラディオン」と名付けられた連合軍は、「星遺物―『星冠』」を起動し、進軍を始める。



・「イヴ」の身体と「アウラム」の剣を持ち去った「ニンギルス」
あの悲劇から、たった1つの願いと共に「ニンギルス」は進み続けてきた。
彼にとって「イヴ」のいない世界にもはや正しさなど無く、再び「イヴ」の笑顔を取り戻せるなら、善悪など関係なかった。
屠った6体の「トロイメア」から回収した「機界騎士」のコアかにより世界の真実を知った彼は、失われた技術を用い「イヴ」の魂の器となる体躯の製造を開始。
世界のために妹は命を落とした。
次は「イヴ」のための世界を作ろう。
確固たる目的と共に、彼は神の門「バベル」の建造を始める。


・『星戦」の始まり
「ニンギルス」が幾多もの実験を繰り返して作り上げた機械人形は、「イヴ」の亡骸から感応力の補充を受け、わずかであるが双剣の一振りの機能を発現することに成功。
機械人形と「『星槍』」、「『星盾』」、そして「『星鎧』」を感応させ、強制的に「『星杖』」の起動を図る。
駆け付けた「アウラム」たちと「ニンギルス」による最後の『星戦』が始まろうとしていた。
・「パラディオン」を待ち構える「オルフェゴール」
天高く聳える「バベル」の威容に戦慄しつつも、星の脅威となる邪気を感じ取った「アウラム」は塔へと迫る。
しかしその前に無数の機械兵器「オルフェゴール」が立ちはだかった。
全て「イヴ」の器を作り上げる過程の副産物だが、「ニンギルス」の度重なる施行実験の結果、軍勢と呼べるほどの数に達していた。
そしてその激闘の最中、「アウラム」は「バベル」の内部から自身と同じ『鍵』の力の発現を感じ取る。

・「『星杖』」が持つ力
輝きを放ち、自身を展開させていく「バベル」。
「ニンギルス」の真の目的は「バベル」を天へと届かせる事ではなく、天空から「『星杖』」を打ち下ろすことにより、地核を破壊せしめる事。
そして地中に眠る「『星櫃』」を目覚めさせ、その生と死を司る権能をもって「イヴ」の魂を復活、さらに地核に封じられし『大いなる闇』の力を開放し、「イヴ」を新たなる「創星神」として再誕させる事だった。
「アウラム」はその起動を担う機械人形の元へ急ぐが、「ニンギルス」と「オルフェゴール」たちの鬼気迫る猛攻によって阻まれてしまう。
そしてついに「『星杖』」は打ち下ろされ、大地が悲鳴を奏でるのであった。


・「『星櫃』」により生まれし「守護竜」
巨大な衝撃とともに大地を穿った「『星杖』」。
その衝撃は大地を裂き、「パラディオン」の戦士たちはその余波に巻き込まれる。
しかし、大切な仲間を守るために、「イムドゥーク」は再びその力を発現。
自身の命をも費やし巨大な結界を形成する。
衝撃の後、そこに残ったのは「パラディオン」と力を使い尽くした「イムドゥーク」。
そして起動した「『星櫃』」の姿だった。
生と死の権能を持つ「『星櫃』」は、直下で命を落とした「イムドゥーク」の死を取り込み「アンドレイク」として再誕。
さらにその力の余波は、割れた地殻の中をエネルギーとして駆け巡り全ての「星遺物」に及び、竜の覚醒を引き起こす。




・・それぞれの「星遺物」が「守護竜」に生まれ変わる
神の権能の具現化である「星遺物」は、「イムドゥーク」を吸収したことによりかつて自らを生み出した神の力を発揮するため形態変化を実行。竜化したのだ。

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・復活を果たす「リース」の魂
「イヴ」の身体を抱え、機械人形の元へ向かう「ニンギルス」。
機械人形に移植された『鍵』の力をもってすれば、、竜をもコントロールする事は可能。
ついに全ての力を統合し生と死の力をもって「イヴ」の魂を復活させる。
しかしその時、機械人形が見せた笑顔は彼が望んだものではなかった。
「イヴ」の魂が呼び戻された瞬間、同化したままであった「リース」は機械人形の主導権を奪取。
自身に移植された『鍵』の力で「イヴ」の魂を消滅させる。


大地から離れ機械文明の時代に生まれた人間の中からは、もはや神の復活に必要な『鍵』の継承者は用意できない。
あの「明星」ですら器としては足りえないの判断した「リース」は、機械文明もろとも地表を一掃。
大地に根ざした生命が再び繁栄するように人類が願う事さえも、彼女の画策だった。
長い時を越えついに「星遺物」の起動をも可能とする継承者が現れたことによって、再び彼女の計画は動き出す。
一度は忌々しいドラゴンと継承者達によって阻まれたが、その力への執念は常軌を逸していた。
「イヴ」の亡骸と5体の「守護竜」を吸収し、その権能を宿した「イドリース」はついに髪を手中に収めるための力を手に入れた。

・「イドリース」の恐るべき力と一筋の希望
「イドリース」は地殻に封印された神の力を呼び起こし、同化するための中枢神経系「機怪神エクスクローラー」を産み出す。
神の力に自身を組み込むことで、完全な神としての君臨を目論んだのだ。

死の力の呑まれた「メロダーク」に妨害され、もはや止められるものは居ないかと思われたその時、星辰の森から「ユスティア」が飛来し力を開放。「イドリース」から引きはがした「イヴ」の身体と融合し、「星杯の神子イヴ」として再誕したのだった。


・心が宿った〝容れ物〟
「イドリース」は「ユスティア」に宿る「イヴ」によって『鍵』を含む全ての力のコントロールを掌握された。
融合の際に「イヴ」の魂は消去したはず……しかしあの時「リース」によって消去されたのは機械人形の魂だった。
器として造られた機械人形だが、感応力を移植された影響かいつしかその身に意識が芽生えていた。
「ガラテア」とは、いずれ「イヴ」となる事を運命づけられた人形が密かに自分自身につけた、決して名乗る事のない名前。
それは旧文明のデータを検索した時に目にした、愛を受け人間となった女性の名前だった。
「リース」と「イヴ」の融合の際、「ガラテア」は自らを身代わりにして消滅。
「イヴ」の魂は「『星杯』」に転送され、「守護竜ユスティア」として生まれ変わったのだった。

・地底より顕現せし〝神の力の器〟
『鍵』の力を失った「イドリース」は、身体に宿る巨大な力を制御できなくなり暴走。
急激に崩壊していく。
さらに蘇った「イヴ」は「アウラム」と合流し、共に「メロダーク」の中から「イムドゥーク」の魂を呼び起こす。
「イムドゥーク」は生の力を増幅して「アルマドゥーク」に進化を果たした。
しかしそれを喜び間もなく、地核からの力を得た「エクスクローラー」によって破壊された大地の底から神の力の器「デミウルギア」が顕現してしまうのだった。

破壊の力である『大いなる闇』の体現者「デミウルギア」の出現を前に、「アウラム」は対抗策を提示する。
それは、かつて「蒼穹の機界騎士」によって試みられ、半ばに終わってしまった『鍵』の継承。
さらに、「アウラム」に星遺物の力をも全て集約し、『大いなる闇』を打倒する事だった。

・「ガラテア」の遺志に応え生み出した〝機神の槍〟
力の統合を試みる「アウラム」だが、感知した「イドリース」が最期の猛攻をかける。
しかしそれを食い止めたのは「ニンギルス」だった。
「ガラテア」の遺志に応えた彼は「バベル」と「オルフェゴール」の残骸から「宵星の機神ディンギルス」を錬成した。


・創星記にある〝星の勇者〟の誕生
「アウラム」が率いる「パラディオン」の猛攻、思いもよらなかった「イヴ」の復活と、「ニンギルス」の逆襲……。
全ての思惑を打ち崩された「イドリース」の身体はついに「ディンギルス」の攻撃によって滅ぼされる。
しかし、最後の最後まで執念深く神の座を求め続けたその存在は、もはや理性を失い狂乱した状態で「エクスクローラー」と同期中であった「デミウルギア」に強引の己の魂を組み込む。
『鍵』を奪われたその身では強大すぎる力を制御・支配する事ができず、「イドリース」の邪悪な意志に感応した「デミウルギア」は暴走。
神の力を宿し、星を創ることも、星を滅ぼすこともできるその存在は、漏れ出す力の余波だけで星の破壊を加速させていく。

破壊の権化と化した「デミウルギア」によってもはや地核による神の封印は不可能なレベルに達し、星の滅亡は免れないかと思われる中、『鍵』の継承の成功し、「星遺物」の力を統合した「アウラム」が、ついに悠久の彼方から伝わる伝説の存在、『星の勇者』「双穹の騎士アストラム」として覚醒したのであった。

・〝神の力の器〟との融合
「デミウルギア」の中枢へと突入した「アストラム」はそこに残っていた「リース」の意識の残滓と邂逅。
創星の神の真実を知ることになる。


「星神器」とは、あらゆる神の原型であり、そこに満たされた意志に呼応して神の所業をなす事ができる器――神化のプログラム。
かつてそれを満たしていた意志は、その力をもって天の運行を担っていたが、制御できなくなってしまった破壊の力を器ごと星に封じる事で消滅した。
そしてまた、その力によって危機が訪れている。
このまま暴走を続ければ、この星だけでなく天をも破壊し尽くしてしまうだろう。
「アストラム」は、真に『鍵』の覚醒者となった自身に出来る事を考え、『鍵』の力を完全に解放。
神の破壊ではなく、器との同化を試みる。
ここに「双星神 a-vida」が誕生した。

・星の再生〝リ・バース〟
かくして生まれた新たなる神「a-vida」は、これまでの激闘の末に得た人知を超える神の力を持って、かつて人間だった頃に過ごした元の世界と、「ニンギルス」や「イヴ」、共に闘った「パラディオン」たち、そしてこの『星戦」で失われた全ての命を取り戻すことを願う。
それは神である存在としてはひどく人間的で、独善的な行いかもしれない。
ひょっとすると星の破壊よりも咎められる行いなのかもしれない……。
それでもそれを選択した神は、崩壊した星を器として取り込み、その星に生まれた生命の再生プログラムを起動する。
そして全ては光の中に包まれた――。

あの日、眩い光とともに
意識は途絶え
目覚めるとそこには
穏やかな夜の空が広がっていた。星々の光に
優しく照らされた世界で、
旅路を踏み出す。手にした剣が、時折
瞬くかのように発する
幽かな光。
その導きの先に何があるのか
知る者はいない。それでも少女は
その瞬きに希望を託し、
彼が残した世界を歩き続ける。
歴史に名を刻む『星戦』が終結し、「双星神」となって姿を消した「アウラム」は『鍵』を一本の剣として残した。
「神の力を巡る争いを、二度と繰り返してはいけない……」。
「イヴ」はその剣を携え、大切な人が再生したこの星を巡る旅をする。

「双星神」の再生プログラムの影響により、星の命運を左右する『鍵』は「星遺物」の力をも取り込み一振りの剣となった。
「『星鍵』」と名付けられたその剣の所有者である「イヴ」は、悲劇の再来を止めるため、剣を封印する地を探す。

一時は道を踏み外した「ニンギルス」は、星を守る『騎士』として再誕。
「アウラム」の切なる願いの体現者として、「イヴ」を影から見守り支えていく事を誓う。
その傍らには、彼に寄り添う妖精「ガラテア」の姿があった。

「双星神」の力により、『大いなる闇』の破壊の跡は嘘のように修復された。
空には数多の星が輝き、あたりに生命の息遣いが聞こえる。
そして「『星鍵』」を授かった「イヴ」は、決意を胸に足を進める。
「星遺物の導く先」へ……。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!
正直、何回見たり読んだりしても「ガラテア」のくだりのところで目頭が熱くなります。
「ガラテア」が自我を持ったりしていなければ、「リース」の目論見通りの結果になってしまってBADエンドになっていたと思います。
星杯物語でのファインプレー賞は「ガラテア」だと思います。
ここまでの時系列を後編として考察していきます!
前編はこちら